「友達いないだろ?」と煽るやつ

「友達いないだろ?」というのは、相手を侮辱するときに使われる常套句だ。

この言葉が侮辱になると思って発言しているのなら、発言者は「友達がいないこと」を劣ったことだと認識していることになる。

しかし、考えてみてほしい。本当にそうだろうか?



今の世の中、友達がいなくて困ることはほとんどない。
友達がいなくても普通に生活できる。

友達と言えば困ったときに助けてくれるイメージだが、多少の援助をしてもらうくらいなら、友達じゃなくて知り合い程度の関係で十分ということもよくある。

友達がいることに大きなメリットがあるかというとそうでもない。
むしろ変に友達が多いと、面倒な人間関係というしがらみに縛られるというデメリットがある。

じゃあなんで「友達いないだろ?」が煽り文句としてよく使われるのだろうか。
それは、「友達がいること」が重要だと思い込んでいるからだ。
そして、多くの人がそう思っている。

友達を重要視するのは、人が持っている本能によるものだ。
人の本能は、人が長い期間を過ごしてきた石器時代に適合するように作られたと言われている。

石器時代では集団生活が基本だった。
仲間と協力しないと生きていけない環境だったので、集団から孤立することは死を意味した。

集団に馴染めない一匹狼的な個体は生き残れず淘汰され、仲間を大切にする個体が生き残り、子孫を後世に残すことができた結果が現代の人間だ。
だから、その遺伝子を受け継いでいる現代の人間が、仲間(友達)を本能的に大切に思うのは当たり前っちゃ当たり前だ。

ちなみに、この習性は人間だけでなく、人間と先祖が同じであるチンパンジーなどでも同様に見られる。
「友達いないだろ?」と他人を煽って優越感に浸っている輩は、知能がサルレベルなのだ。

この本能は石器時代に最適化されたものなので、現代社会に適合しているとは言い難い。
貨幣の流通によって、友達関係だけでなく、世界中の人と浅く広く繋がれるようになった。

あなたが食べている物や着ている服は、あなたが知らない遠い異国の人が作ったものかもしれないが、これは貨幣を介することで間接的に繋がっているから実現できる。

現代で成功している人というのは、この浅く広い関係をうまく活用した人たちだ。
成功者はなぜ近い友人より、浅く広い関係を重視するのか。
そうすることで、世界中から富が集まってくることを知っているからだ。


別に私は友達がいることを否定しているわけではない。
いい友人に恵まれたほうがそりゃ幸せだと思う。

ただ私は、本能だけで動いている人間がマウントを取ろうとしてくるのが腹立たしいのである。


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