今年読んで最も面白かった本

今年はいろいろと本を読んだが、その中で最も面白かった本を挙げるとしたら、橘玲著『「読まなくてもいい本」の読書案内:知の最前線を5日間で探検する』だ。

この本はかなり面白かった。
今年1番どころか、今まで読んだ本の中で1番と言っても過言ではないかもしれない。

本書の内容は、主題の『「読まなくてもいい本」の読書案内』よりも、副題の『知の最前線を5日間で探検する』のほうが的確に表しているだろう。



この本で言っていることは、「古いパラダイム」で書かれた本を読んでもあまり意味はないよ、ということだ。

世の中には、パラダイムシフトが起こって、やっと説明できるようになったものがある。

有名なパラダイムシフトの一つに「地動説」があるが、地動説じゃないと説明できない現象を、地動説以前の知識(天動説)で説明しようとしても、うまくできない。
結局結論が出なくて、うやむやな内容に終わってしまうだろう。
こういう本を読んでも時間の無駄に終わるだけだ。

この世には無数の本がある。
しかし、人に与えられた時間は有限なので、とてもじゃないがすべての本を読むことはできない。
限られた時間の中で効率よく有益な本を読むには、こういったパラダイムシフト以降の知識で書かれた本の中から選ぶのが良い。
そしてそれを実行するには、まずどんなパラダイムシフト(本書では「知のパラダイム転換」と呼んでいる)があるのかを知らなくてはいけない。

本書では、近年目まぐるしい成果を上げた、以下の5つの知のパラダイム転換について紹介している。

・複雑系
・進化論
・ゲーム理論
・脳科学
・功利主義

これらを見て何のことか分からなくても問題ない。
基本的には経済学的なことがメインだが、入門向けの内容なので専門知識はなくて大丈夫だ。
だからこそ、すらすら読めて楽しい。

各章の最後には優良な入門書も紹介されているので、さらに知識を深めたい人にもおすすめの1冊だ。

0 件のコメント :

コメントを投稿