必要な保険と不要な保険


日本人は保険が好きだ。
たぶん安心したいからだろう。

ここまで安心を求めるのは将来に不安を感じているからだろうし、これは国にもいくらか責任はあるだろう。

安心は確かにいいものだが、保険で安心を買おうとすると、当然保険料がかかる。
多くの保険に手を出すと保険料が家計を圧迫するため、保険は必要最低限のものだけに絞るのが基本だ。

だが、世の日本人はあまりこの辺りを分かっていないようである。



保険が必要かどうかの判断基準は、本来はとてもシンプルである。
ある保険が必要になる場合の条件は以下のときだ。

ある不運な出来事が起こる可能性を無視できず、かつそれが起こると経済的に破綻するとき


例えば、自動車の任意保険は必要な保険だ。

車を運転していて事故に遭う確率は低いが、統計的に無視できるかと言うとそうでもない。
少なくとも、宝くじに当たることとは比較にならないくらい高いだろう。

事故で自分が加害者になり、相手が死亡、もしくは後遺症が残ったりすると、その賠償額は億レベルにまでなる。

とてもじゃないが、これは個人の資産では到底払えない。
保険に入っていなかったら人生が詰むことになる。


一方、生命保険は多くの場合不要だ。

生命保険に入るときに一番に考えないといけないのは、自分(被保険者)が死ぬと、残された家族の生活が破綻するかどうかだ。

これに該当するのは、家族の生活が被保険者の収入に完全に依存しており、また貯金もないようなときだ。

だが、こういう状況なら、被保険者が死ぬことを恐れて生命保険に入るよりは、せっせと働いて貯金したほうがいいのは言うまでもないだろうし、貯金ができればそもそも生命保険は不要になる。


また、医療保険も多くの場合不要だろう。

日本の場合は既存の健康保険がそこそこ優秀なので、まずこれだけでほとんど場合何とかなる。

問題は、難病にかかって高額の医療費がかかるときだろう。

だが、そもそも難病にかかった時点で治療しても死ぬ確率が高い。
死なないにしても、治療が長引いてずっと苦しい思いをすることになる。

このために、わざわざ医療保険に入って保険料を払いたいと思うだろうか?
まあ、最終的には個人の判断に委ねられるべきだろうが。

・・・

保険というのは、合理的に考えたら大体が不要だと気付く。

そして、保険料が家計に占める割合は大きく、保険の見直しは支出削減に効果ありだ。

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