コツコツ節約か贅沢を楽しむか


私は節約志向の人間で、可能な限り無駄遣いをしないようにして、貯まった資金を投資に回すようにしている。

だが、こういうことを言うと絶対に出てくるのが、「そんなことして何が楽しいの?」という批判だ。

こういう批判も確かに一理あるが、ここは私の思うことを書こう。



節約に対して「そんなことして何が楽しいの?」のという批判は、「限りある人生なんだから、もっとお金を使っていろんなことを楽しもうよっ!」みたいな意味が込められている。

もっともな意見にも聞こえるが、私はこれには完全には同意できない。
特に、「お金を使って」という部分に。

お金が使い切れないくらいたくさんあるなら、お金を使って贅沢でもなんでもすればいい。
人生は限られており、お金はあの世に持っていけないのだから。

だが、ほとんど人は十分なお金を持っていない。
この状態でお金を使うと、当然お金がなくなる。

「お金がなくなっても、働いて稼げばいいじゃん」と言う人はよくいるが、これは少し危ない考えだと思う。

この考え方だと一生労働から抜け出せなくなるが、自分がずっと働き続けられる保証はない。

病気になるかもしれないし、精神を病むかもしれない。
また、時代の変化で自分のスキルが陳腐化し、給与水準を維持できないかもしれない。

こうなるとたちまち貧困層へと落ちる。


こういった、お金を使う楽しみ方しか知らない人は、総じて金融リテラシーが低く、『金持ち父さん貧乏父さん』や『となりの億万長者』といった名著の中で散々こき下ろされている。

彼らは典型的な消費者かつ労働者であり、消費と労働のループから一生抜け出せない。
私はこうなることを極端に恐れている。

消費者としてしか楽しめない人は、欲望の増大に合わせて支出も増える。
人は常に今よりもっといい物、もっと大きな刺激を求めるから、その欲望は無限大である。

欲が無限なのに対して、自分の収入や貯金は有限だ。
そりゃ、お金がなくなるだろう。


今の世の中、お金をかけずに楽しめることはいくらでもある。
それで満足するもいいし、もっといいのは、消費者ではなく生産者として楽しむことだ。

自分の好きなものを作って楽しみ、さらにそれがうまく収益に繋がれば最高である。

・・・

以上のことから私は節約志向になっているのだが、何もみんなに節約してほしいとは思っていない。

みんなが節約しだすと経済が回らなくなるのは「合成の誤謬」の典型例であり、むしろ私以外の人間にはどんどん消費してほしいくらいである。

今の日本社会は全体的に節約ムードがあり、個人消費が伸びない。
みんな将来に不安を持っており、安心してお金を使えないのだ。

政府は国民に希望を持たせて、もっと消費を促してもらいたいものである。

節約派が優位に立てるのは、それが少数派のときなのだから。




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