景気敏感株で配当金生活をしてはいけない



先日「マネーの公理」という本を読みました。

内容を簡単に言うと、金持ちになるには投機をする必要があり、投機をするにあたって守らなくてはいけない「公理」がいろいろと書かれています。

ちなみに本書では、一般的に投資と呼ばれてるものや、ポーカーのようなギャンブルまで全部ひっくるめて「投機」と呼んでます。

まあ本書の内容はここではどうでもよく、有名な本なので今更説明する気もないですが、本書の最後のほうに、配当金生活している者としては気になる箇所があったので紹介します。


本書の中で、ポウラという名前の女性の事例が紹介されてました。

彼女は成人すると、フォード・モーターで生産ラインの労働者として働き始めた。(中略)彼女はフォードの普通株を数千株積み立てた。(中略)フォードを早期退職して、すべてのお金をフォード株につぎ込み、その配当で老後を幸せに暮らすことを決心した。1970年代後半のことだった。フォードは当時、1株当たり2ドル60セントの配当を支払っていた。

配当金生活してる者からしたら(ノ∀`)アチャーって感じです。もう先を読まなくても結末が分かります。

そして予想通りの結末を迎えます。

フォードは1980年に、年間配当を1株当たり2ドル60セントから1ドル73セントに引き下げた。(中略)自動車業界の問題は1980年に深刻化した。フォードを含めて、すべての大手自動車メーカーの株価は下落していた。(中略)1981年、フォードはさらに、配当を80セントに引き下げた。(中略)1982年、フォードは配当をまったく支払わなかった。(中略)株価はぞっとするほど安かった。自分が購入したよりずっと安い株価で、それらを売却せざるをえなかった。

何が悪いのかって言うと、1つの株に集中投資したのも結構アレですが、何よりも景気に業績が左右されやすい自動車株だけで配当金生活しようとしたのがダメです。

景気敏感株は不景気になるとすぐに減配しますから。

最近だと、高配当株で有名な日産も減配を発表しました。

現在、日本の自動車企業が置かれてる状況はあまりよくありません。

もちろんこういう株も考えがあって買うなら全然いいんですけど、生活費として配当を求める人が買うべき株ではないです。

個人的には自動車株に並んで鉄鋼株も、配当目的では絶対に買いたくない株ですね。

配当金生活は不況耐性のある銘柄に限ります。


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