理論的に正しい唯一の投資法

投資と言っても、世の中にはいろいろな投資法があって、何が正しいのかよく分からない。
銀行預金のような超ローリスク・ローリターンなものから、仮想通貨のような超ハイリスク・ハイリターンなものまである。
これでは何に投資すればいいのか迷ってしまう。



実は、「理論的に正しい」投資法というのはある。
ここで言う「正しい」とは、リスクが同じならリターンが最大、またはリターンが同じならリスクが最小になる投資法を指す。
「効率的ポートフォリオ」とも呼ばれる。

これをしっかり説明しようとすると、確率・統計の知識を持ってくる必要がある。
ここではそんなことをするつもりはないから、ざっくりと概要と結論だけを述べる。

理論的に正しい投資法は、1990年にノーベル経済学賞を受賞したウィリアム。シャープという人が考案した、「資本資産価格モデル(CPAM)」という理論から導き出される。

この理論は「効率的市場仮説」という前提に基づいている。
この前提では、全ての投資家は公開されている全ての情報を知っており、それをもとに合理的な判断を行って投資を行う。
また、個々の銘柄の株価の動きは、その銘柄固有の動き(アルファ)と、市場平均の動きに対する感応度(ベータ)で説明される…

で、結論に移るが、この前提だとどういうポートフォリオが最も効率的かと言うと、それは「株式市場のコピー」である。
つまり、株式市場で取引されているすべての株を、時価総額の割合で保有することだ。

そして今の時代、これを実行するのはすごく簡単だ。
「インデックス投資」をすればいいのだ。

インデックス投資がベンチマークとする指数はいろいろあるが、その中でも世界中の株式市場を対象にしているのは、「 FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」である。
そして、この指数をベンチマークとするインデックス投資ができるのは、米バンガード社の「バンガード®・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」というETFだ。

ETFとは「上場投資信託」のことで、投資信託だが株と同じように市場で売買できる。
ETFのメリットは、何と言っても通常の投資信託と比べてコストが低いことで、VTの保有コストは年0.11%とかなり低い。

ただデメリットもあって、VTはアメリカのETFなので、購入は米ドルでしなくてはならない。
また、配当金の再投資も自分でしないといけない。
別に大したことではないが、初心者からしたらハードルが高いかもしれない。

もっと楽にやりたいなら、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」がおすすめだ。
こちらは通常の投資信託で、日本円で買えて、配当金の再投資も自動でしてくれる。
コストは年0.24%程度と、VTと比べると高くなるが、これでも投資信託の中では最安の部類だ。
ちなみにこいつの中身は、上述のVTを買っているだけである。
超シンプルな中身だが、投資信託はシンプルなほうが良い。
なぜなら、コストが低くなるからだ。

また、この投資信託なら来年から始まるつみたてNISAで買える。
面倒なことを考えたくない人は、何も考えずにこれをつみたてNISAで買っておけば、経済学の理論で正しいとされている投資が自動的にできるのだ。


一応言っておくが、インデックス投資をしても必ず儲かるわけではない。
インデックス投資で儲かると言われる背景には、世界経済が長期的には成長するという前提がある。
当然だが、この前提は保証されていない。
また、経済理論の前提になっている「効率的市場仮説」も完全に成り立っているわけではない。
市場は概ね効率的だが、たまにバブルや金融危機といった非効率なことが起こる。
それでも、中途半端な知識でよく分からないものに投資するよりは、インデックス投資をするほうがよっぽどマシだと思う。

最後に、私自身はインデックス投資を実践していない。
別にインデックス投資に否定的というわけではなく、私は自分で調べていいと思った株しか持ちたくないという性格なだけである。


参考図書:

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