喫煙による医療費とたばこ税

喫煙で医療費1兆4900億円 14年度、厚労省報告書
厚生労働省の調べによると、2014年度における喫煙が原因で余計にかかった医療費は約1兆4900億円とのこと。

内訳は、喫煙者本人によるものが1兆1669億円、受動喫煙によるものが3232億円。
この数字は、患者の自己負担分を含んでいるのかは明記していないが、たぶん含んでいるんじゃないだろうか。

さらに、喫煙による生産性の損失額も計算されている。
喫煙による入院で働けないことで生じる損失額が2493億円、勤務時間中にたばこを吸うため席を離れることによる損失額が5496億円とのこと。

ただ、これは計算方法がよく分からないのと、実体のないものなので、ここでは触れない。



一方、たばこは価格の半分以上が税金であり、毎年そこそこの税収を生んでいるというのも事実だ。

以下のサイトに、たばこによる税収がまとめてある。
たばこの税収推移をグラフ化してみる(最新) : ガベージニュース
これによると、2014年度のたばこによる税収は、消費税も含んだ額で言うと約2兆4500億円だ。
たばこによる税収は毎年これくらいで推移している。
このうち、半分くらいが国の取り分で、もう半分が地方の取り分だ。

また、日本政府は日本たばこ産業(JT)の発行済み株式数の3分の1を保有している。
これにより、毎年JTからの配当収入が入ってくる。

2014年度における、配当収入は約670億円だ。
ちなみに2017年度は約930億円になる見込み。

以上から、2014年度におけるたばこによる収入は、約2兆5100億円と見積もられる。

たばこによる医療費1兆4900億円を差し引いても、1兆円ほどプラス収支というのが現状である。

・・・

この結果から、たばこをじゃんじゃん吸えばいいと言うつもりはないが、それでも全面禁煙にするよりは、分煙を進めるほうがいいんじゃないか?

全面禁煙にしたって、吸う人は結局吸う。
だったら、分煙して吸う人と吸わない人をうまく分離したほうが受動喫煙も減り、それによる医療費も減る。

しかし、これで嫌煙家たちが納得するわけがない。
彼らはこの世からたばこを撲滅しないと気が済まないのだ。
残念ながらそれは無理だと思うけど。

たばこを撲滅する方法としては、法外なたばこ税を課すとか、強烈な禁煙規制を作るなどで、たばこ企業がまともにビジネスを行えないようにすることが考えられるが、私はこれには反対だ。

別に「たばこを吸う権利の侵害」とかしょうもないことを言うつもりはない。

たばこ企業のようなまともな組織が消えると、確実に「闇タバコ」が流通するようになる。
そしてこれは、反社会勢力の収入源になる。

要は麻薬と同じだ。
麻薬は法律で禁止されているからこそ裏で密売され、マフィアの収入源となっている。

たばこが反社会的勢力の収入源になったら、治安は確実に悪くなるだろう。
嫌煙家はそれでもいいのかな?

まあ、たばこの煙が嫌なのも分かるが、分煙が進めば、というか今も既に、非喫煙者が日常生活でたばこの煙に触れることはほとんどない。

もし、喫煙ルームや喫煙スペースなどでたばこを吸うことすら許せないのなら、はっきり言って「狂っている」と思うぞ。


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