人生の終盤に最もお金を使う人たち


2041年、介護費は30兆円まで膨張 社会保障費は190兆円へ 研究機関が推計
日本の医療費、介護費が膨張している。

もちろん少子高齢化が直接的な原因であるが、日本の医療の在り方や医療保険制度も原因の1つではないだろうか。



日本の医療は、とにかく生かすことが重視される。重い病気にかかっても、苦痛を伴う治療を長期間受け続けて無理やり生かされる。寝たきりになっても、介護を受けて無理やり生かされる。

患者側がどう思っているかは分からないが、とにかく生きることが重要みたいな風潮はあるんじゃないだろうか。

高度な医療や介護を受けると、当然高額の費用がかかる。おそらく人生において、最も自分のためにお金を使うことになる。

自分のためにお金を使うのは、自分が幸せになるためであるのが1番いいはずだ。しかし、高齢者になってから、難病の治療や介護にお金を使うのは、辛い状態を長続きさせるだけで幸せではないし、将来幸せになる見通しもない。

こんな人生の終盤になって、多額のお金を投じて苦しみながら生きながらえるのは、その人の人生としてどうなんだろう、と疑問に思うわけである。本人も幸せでなければ、社会全体も幸せになれない。


日本の医療費は、高齢者ほど自己負担が軽いというのも、こういう状況を作り出した要因の一つかもしれない。自己負担が軽いなら、とにかく治療を受けないと「損」だと思わせている可能性がある。

それに、高齢者ほど自己負担が軽いというのは、日本の現状に全く合っていない。医療を最も使う層が、最も自己負担が重いようにしないと、制度がそのものが成り立たなくなる。

高齢者の医療費の自己負担は、既に少しづつ上がってはいるが、やはり反発も根強い。負担を重くすると言えば、「老人の切り捨て」だとか言って反対する輩が多すぎる。

高齢者ほど自己負担が重ければ、積極的な治療はやめて穏やかに死ぬという選択肢も選ばれるようになるだろう。そのほうが、本人にとっても社会にとってもいいと思うのだが、そうなる日は来るのだろうか。


0 件のコメント :

コメントを投稿