世界同時株安が起こっている。原因は米中貿易戦争だとかいろいろあるんだろうが、やはり直近の株価はちと高すぎた。
値上がり益狙いの投資家はさぞかし忙しいことだろう。もたもたしていると含み益が吹き飛んでしまう。
この場合、株価が下がったからと言って、ナンピン買いするというのは悪手になりやすい。
値上がり益狙いの場合、普通は配当利回りの低い成長株を買う。こういう株を買うときは、基本的には順張りで、買値も高めであることが多い。
そして、株価が下落したときは、配当利回りが低いせいで、株価下落幅≒資産減少分となる。下落相場が続く場合、買い増しをすると、どんどん資産が減ることになってしまう。
もともと順張りで買った株なのだから、株価下落で買い増しという逆張りを行うのは、やってることがちぐはぐである。株価が反発する見込みがあるのなら買い増しするのもいいが、高値圏の低配当株はどこまで下落するか分からないから、被害が拡大するだけになるかもしれない。
一方、配当狙いの投資家は特段慌てることもない。この株安は企業の業績悪化が原因ではないし、むしろ株価が下がったほうが、配当利回りが上がって買いに行きやすくなるくらいだ。
配当狙いの場合は、安定して利益を出し続けている企業を選ぶ。こういう企業は滅多に配当を減らさないから、株価が下がると配当再投資の効率が上昇し、保有株数を増やすスピードが上がる。保有株数が増えるともらえる配当も増える。
もちろん、配当以上に株価が下落すると資産が減ってしまうが、安定して利益と配当を出す企業の株価が、無茶苦茶な水準まで落ちて、さらにそこから株価が戻らないということはほぼない。
例えば、毎年安定して利益と配当を出すコカ・コーラ株の配当利回りは現在約3.5%だが、ここから株価が半分になって、配当利回り7%になるまで放置されるだろうか。たぶんない。過去の実績からしても、おそらく利回り4%を超えたあたりから、急激に買われていくだろう。
そして、株価下落の間、黙々と配当再投資していれば保有株数がそれなりに増えるので、次の上昇相場時には資産が一気に増えることになる。
配当再投資で保有株数を増やす投資法は、その銘柄に対するリスクを多く取るわけだから、どの株を買うかがかなり重要になる。クソ株に配当再投資してもその株と心中するだけだ。
もし、株価下落時に自信をもって買い増しできないなら、その銘柄に対する知識が足りないか、もしくは買う銘柄が間違っている。
特定の銘柄に自信を持てないなら徹底的に分散するのも手だが、それなら最初からインデックス投資をしたほうが手間が少ない。ただ、よくある時価総額加重平均型のインデックスの場合、割高な株を多く買い増しすることになるからやや効率が悪い。この場合は、高配当系のETFを使うのがいいかもしれない。
株式投資における資産は株価×株数で算出されるが、配当狙いの投資(配当再投資)は株数を増やすことで資産増を図る投資法である。
この投資法の場合、株価下落というのは悲観的なことではなく、むしろあったほうがいいことなのだ。
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