なぜエリートは金融リテラシーが低いのか

第75回 「金融リテラシー」の虚実(橘玲の世界は損得勘定)
女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」に投資していたのは、大企業の会社員や医者といった高所得者が多かったらしい。

1億円超の融資をポンと受けるのだから、それなりの所得と社会的地位がある人が対象だったのだろう。

で、結局この案件は中身が無茶苦茶のほぼ詐欺案件で、投資家の皆さんは賃料を受け取れず、借金だけ背負う形になってしまった。

しかし、この案件の「利回り8%”保証”」という謳い文句は、金融リテラシーが少しでもある人からしたら、ん?となるところである。この低金利時代に、本当に利回り8%を保証できるのかと。

貧乏人ならいざ知らず、大企業の会社員や医者みたいな頭の良さそうな人たちが、なぜ踏みとどまれなかったのだろう。



私は全くエリートではないので、彼らの思考を完全には理解できないが、おそらくエリートの人たちは、本業をやっているだけでお金がどんどん入ってくるから、別にお金の知識がなくても大して困らないのだと思う。

だから、金融リテラシーが低く「標準」知らないから、詐欺まがいの案件にも怪しいと思うことができない。

また、普段の生活が順調なだけに、こういううまい話が舞い込んで来ても、本当にうまい話と思ってしまうのかもしれない。

まあ、金融の知識は学校に行くだけでは教わることはないし、そもそも人生がうまくいっている人は、金融リテラシーがなくても困らない。

金融リテラシーは、どちらかというとお金を稼ぐよりは、お金を守る防衛面で役に立つから。

もちろん、今までたまたま困らなかっただけで、これからのことを考えると、金融リテラシーがあったほうがいいのは言うまでもない。

・・・

こう思うと、セミリタイア界隈で金融リテラシーの高い人が多いのも頷ける。

彼らは自分の仕事には不満しかなく、何としても仕事をやめて生活する方法を考えなくてはいけないから、どうしても金融リテラシーを身に付ける必要がある。

金融リテラシーがないと、セミリタイアなんぞ到底不可能である。

金融リテラシーは、人生に不満がある人ほど積極的に身に付けるのかもしれない。


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