ベーシックインカムが導入されてもみんな働き続けると思う理由


ベーシックインカム(BI)とは、最低限の生活を保障するために、国民一人一人に現金を支給するというもの。

BIのメリットとしては、社会保障制度を簡素化して、大幅なコスト削減に繋がるというのもあるが、現在年金・医療費として高齢者に大きく割り当てられているお金を、若年層にも行き渡るようにすることで、若年層の人たちが安心して働けるようにし、活発な消費を促せることに、大きな意義があるように思う。

ということで、私はBI賛成派である。

BIへの批判として、「誰も働かなくなる」というのがあるが、私はこれを心配する必要はないと思っている。

以下にその理由を挙げてみる。


生活水準を下げられない

BIは最低限の生活が送れるお金を支給するだけなので(8~10万円くらい?)、仕事をやめて収入がBIだけになると、生活水準が一気に最低ランクまで下がる。

一度慣れてしまった生活水準を下げることは結構難しい。ましてや最底辺まで下がるなんて、多くの人には許容できないだろう。

世間体が気になる

世間体や社会的地位というのは、働く理由の一つである。特に、公務員や大企業の社員にはその傾向が強い。

たとえBIだけで十分暮らせるとしても、仕事をやめれば何の肩書もないただの無職になる。

人はなんだかんだ言って、周りからの評価を気にするものである。

環境の変化が怖い

人間は基本保守的な生き物なので、退職、転職といった、環境が劇的に変化するようなことに対して不安を持っている。

よほど嫌で給料の低い仕事でもない限り、「BIがあるから明日から無職だイェイ!」とはならない。

サラリーマンから無職への変化はあまりにも急激なので、耐えられない人は多いはず。

仕事以外にやることがない

ほとんどの人は、自分のやりたいことを分かっていない。

お金と時間を与えられて好きにしていいと言われるよりも、会社から仕事を与えられて言われたことをするほうが楽だし幸せである。

サラリーマンの「休日にすることがない」という口癖が何よりの証拠である。

おわりに

BIが支給されて仕事をやめるのは、お金のために嫌々働いている底辺労働者たちだろう。

独身で世間体も気にしないなら、BIがあるのにわざわざ低賃金で嫌な仕事をする必要はないから。

こういう人たちが仕事をやめると社会に悪い影響があるかというと、そうでもないんじゃないかと思っている。

底辺労働は、ロボット化・IT化で代用しやすいし、そもそもブラック企業のように、あまり社会にメリットがない仕事であることも多い。

それよりも、100人を嫌な仕事に縛り付けるよりも、全員自由にさせて、100人中1人でも隠れた才能を開花させて活躍することに期待するほうが、社会全体としてはいいんじゃないだろうか。

ということで、BI導入の大きなデメリットだと思われている、「誰も働かなくなる」は限定的で、メリットの方が大きいと思う。

しかし、BI導入は高齢者のもらえるお金が減ることになるので、高齢者の多い日本でBIを導入するのはかなり難しいであろう。



1 件のコメント :

  1. 肉体労働はなかなかAIへの置き換えは難しいと思う。
    頭脳労働の底辺なら置き換えられるが、事務職とか管理職とか

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