若者の貧困は「甘え」なのか




高須クリニックでおなじみの高須院長の発言が炎上している。

『お金の若者離れ』という朝日新聞に寄稿されたコラムに対して、「甘ったれるな若者!」とのこと。

発言内容を要約すると、「今の世の中は年寄り世代の人たちが一生懸命働いて築き上げたもので、その恩恵を享受しているのに、若者は年寄りに文句ばかり言う。貧乏なのは甘えているからであり、そんなことより一生懸命働け。」といった感じのこと。

当然だが、この意見に対して賛否両論で荒れている。

果たして、若者の貧困は「甘え」なのか。


まず、高須院長は単に「自分は頑張った。そしてうまくいった」と言っているに過ぎないという批判が見受けられる。

私もこの批判には同意する。

確かに、高須院長はすごい人だと思うが、今も昔も、すごい人はすごいし、一生懸命働いている人は働いているし、働いていない人は働いていない。

新卒社員の離職率は昔からずっと3割前後で推移しており、今の若者が昔に比べて働かなくなったわけでもない。

高須院長は「年寄りを敬え」とも言っているが、基本的に年寄りの「昔は○○だった」という話ほど、当てにならないものはないのだ。


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また、今の日本は貧しくなっていると言われている。

実際、日本の実質賃金は下落傾向にあり、貧困率も上昇傾向である。(実質賃金の下落は働く人が増えたからでもあるが、これは安い賃金で働く人が増えたとも言える)

これはどう考えても若者の甘えではなく、社会構造が原因だろう。

それに、今はグローバル化によって賃金に下落圧力がかかっており、昔みたいにクソ真面目に働くだけではなかなか貧困からは抜け出せない。

スキルを身に付けて高所得者になれる人はそれでいいが、今も昔も大半を占める「普通の人たち」は、大したスキルが要らない誰にでもできる仕事しかできない。

「窓際族」なんかが存在できた昔と比べると、今の環境はこういう普通の人たちには明らかに厳しくなっていると言わざるを得ない。


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