世界的ベストセラーにもなっている「FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」という本を読みました。
内容については概ね同意ですが、いくつか引っかかったところがあったので、それらについて書こうかと思います。
以下に引っかかった箇所を引用していきます。
温暖化で氷が溶け、次の100年で海面は1メートル弱ほど上昇するだろう。原因は間違いなく、人間が排出する温室効果ガスだ。
温暖化を示すデータは本物だし、その大部分は温室効果ガスによるものだということも証明されている。温室効果ガスの原因は、たとえば化石燃料を燃やすといった人間の活動だ。
本書を読む限りでは、著者は地球温暖化にお熱なようですが、確か地球温暖化の主要因が何かは、まだはっきりと分かっていないはずなんですけどねえ。
事実云々とか言ってる人がこういう事言ってたら、本書の内容全体の信用関わると思いますが。
あともう一箇所。
女性に教育の機会を与えることは、人類史上、最も素晴らしいアイデアのひとつだ。女性が教育を受けると、良いことが連鎖的に起きる。職場に多様性が生まれ、意思決定の質も上がり、より多くの問題が解決できるようになる。教育を受けた母親が増えると、子供の数も減り、子供ひとりあたりの教育投資が増える。女子教育が、社会を変える好循環を生むのだ。
いや、好循環どころか、先進国はむしろこれで苦しんでいるんですけど。
世界的にはこれで人口の爆発的増加が止まるということなんですが、既に少子高齢化になっている先進国からしたら国の存続に関わることで、一概に「好循環」とは言えないと思いますが。
ただ、「教育を受けた女性は子供を産まなくなる」という、やや不都合な真実をズバッと言っちゃうのは良かったと思います。
・・・
ちなみに、この本の主な主張の一つは、「人類はどんどん豊かになってきており、世界的には格差も縮小している」というものですが、確かにその通りなんですが、一方で、先進国では「分断」とか「格差拡大」とか言われてます。
グローバル化によって世界的には格差は縮小していますが、先進国の国民からしたら相対的には貧しくなっており、さらにグローバル化は一部の勝ち組をさらに勝ち組しますから、格差が広がってるように感じるんですね。(実際に国の中だけなら広がってる)
まあ、先進国の人たちからしたら、新興国の人たちの暮らしがどうとか知ったこっちゃないですし、それと同様に、本書の著者も「先進国の事情とか知ったこっちゃない(だって世界全体としては良くなってるから)」と何となく言ってるように感じなくもなかったですね。
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