人ごみや行列に並ぶことが嫌い


私は人ごみが嫌いだし、何かするために長い行列に並ぶのも嫌いだ。

人ごみは身動きが取りにくくて不快なのと、行列に並ぶのは時間の無駄というのも理由の一つだが、一番の理由は他にある。

人ごみや行列にいると、自分がちっぽけな存在だと感じるからだ。



人ごみや長蛇の列に自分がいると気付かないが、そこから離れた位置で客観的にそれを見ると、そこにいる人たちは「その他大勢」や「大衆」という言葉がぴったり似合う、正しくモブの集まりのようにしか見えない。

いや、中にはすごい人も混じっているだろ、という反論もあるかもしれないが、傍から見ると全員モブにしか見えない。

こう考えると、自分もあの中に入りたいとは一切思えなくなる。

ひとたびあの中に入ってしまうと、自分も周りと同じ群衆の中の一人で、居ても居なくても同じ平凡な人間なんじゃないかと思ってしまうから。

まあ、実際そうなんだけど、実感はしたくないのだ。

それに、人ごみや行列ができるということは、多くの人が同じような考えで行動した結果なのだから、私が勝手に思っているだけではなく、実際にそれはとても「大衆的」なものだ。

だから、私は出掛けるなら、人っ子一人いないような場所に行くのが好きだ。

そこに自分しかいなければ、自分は何となく特別な人間のように感じることができるから。

たとえ、私が本当は平凡な人間だったとしても。


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