藤沢数希著『損する結婚 儲かる離婚』を読みました。
「結婚って、離婚するときに慰謝料とか取られるんでしょ？」みたいな、結婚について適当な理解しかしていない人が本書を読むと、結婚において、お金がどう動くのかよく分かると思います。
詳しくは本書を読めば分かりますが、一般的に結婚で最も大きな金額に発展するのは「婚姻費用」と言われるもので、これは収入の多いほうが少ない方に支払う生活費みたいなものです。
婚姻費用は、離婚が成立しない限り払い続ける必要があるので、相手に離婚を引き延ばされると、青天井に支払うことになります。
婚姻費用は収入に連動するので、特に自分が高収入の場合、相手からしたら婚姻費用を搾り取る強いインセンティブが発生することになり、離婚騒動が泥沼化しやすいです。
そうなれば、下手すると全財産に匹敵するお金を取られるという可能性もあり、高所得者が結婚することは、核爆弾級のリスクを抱えるようなものです。
結婚にはこのような金銭のやり取りの性質があることから、本書では結婚を一種の金融商品と見なしています。
確かにこれはその通りで、世の中には結婚を何か神聖なものと思っている人は多いですが、結婚制度そのものは、夫婦間でのお金の取り扱い方法を決める契約でしかありません。
結婚には上記のような凄まじいリスクが潜んでいる以上、その中身をしっかり理解するのは重要だと思いますね。
私の友人の中には、結婚して知らず知らずのうちに大きなリスクを抱えている人が何人かいます。
彼らは収入が安定した大企業の正社員なので、結婚においては最も不利な部類の人たちです。
彼らにも早くこのリスクを知ってほしいですが、しかし、まだ彼らの夫婦仲は良好なようなので、今の段階で本書を紹介するのは、夫婦仲に水を差すような気がして、なんとなく後ろめたいです。
もし、将来的に夫婦仲が悪化するようなことがあれば、その時に何気なく本書を紹介してあげるのがいいかもしれませんね。
ちなみに、本書の内容に従えば、私が結婚するのは悪い話ではないです。
なぜなら、私は収入が無茶苦茶低いので。
しかし、本書でも書いてありましたが、女性からしたら自分より収入の低い男性と結婚するのはデメリットしかないので、まず結婚なんかできないでしょうね。
まあ、私にとって最初から結婚なんて無縁の存在だということです。
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