これからの時代、凡人が生き残る唯一の方法

日本経済に忍び寄るインフレの足音。デフレ脱却=好景気とは限らない | 加谷珪一の分かりやすい話
日本は「失われた20年」という長期の景気低迷とデフレに悩まされてきた。

ただ、デフレにはいいところもあって、庶民はとりあえずまじめに働いて貯金しておけば、定年を迎えるくらいにはそれなりの資産を築くことができた。

デフレとは日本円の価値が上がることなので、銀行預金が最強の資産運用法になるからだ。

しかし、日本にもそろそろインフレに移行しつつある。

失業率低下など、インフレの材料は揃っているし、実際に物価もわずかではあるが上昇している。

インフレ時代に突入すると、会社の給料と銀行預金しか知らない人は、生活がどんどん苦しくなっていく。


インフレとは、日本円の価値が下がることなので、インフレ時代を生き抜くには、日本円ではなく、インフレに強い資産を持つ必要がある。

まず考えられるのが、自身の稼ぐ能力(人的資本)を磨くことである。

インフレに伴って会社の給料が上がるならいいが、インフレだからと言って好景気とは限らないので、ただ働いているだけで収入が上がる保証はない。

だとしたら、他人にはないスキルを身に付けて、インフレに負けないくらい稼げるようになればいい……のだが、私はこれを大多数を占める凡人ができるとは思えない。

時代によって稼げるスキルというのがあり、みんながそのスキルを身に付けられるわけではないし、仮にみんなが身に付けられたとしても、今度は希少価値がなくなって、稼げるスキルではなくなってしまうからだ。

人的資本を高められない凡人は、自分で稼ぐことは出来ない。しかし、優秀な他人に稼いでもらう方法ならある。

それは投資である。

インフレに強い投資先と言えば、株式投資と不動産投資である。

つまり、自分の能力で稼げないなら、これらの資産を保有することでしかインフレに対抗できない。

この内、不動産投資は、稼ぐためには経営スキル的なものが少し必要なのと、そもそも日本の不動産市況は将来の展望が暗いので、私はおすすめしない。

やはりここは、株式投資をおすすめする。

株式投資なら、超優良企業の株を誰でも買うことができるし、買ったらあとは放置して優秀な経営者に丸投げで、会社が稼いだ利益を配当や株価上昇でもらうことができる。

まともな会社を見分けられさえすれば、それ以外の能力はほぼいらない。

さらに、今は投資信託やETFで、優良企業をセットで簡単に買うこともできる。

これなら、個々の会社を見分けることすら必要としない。

インフレの足音が忍び寄っている今、ここまでお膳立てされておいて、株式投資をやらない理由はないでしょう。


もちろん、これから本当に日本がインフレに移行するかどうかは分からない。もしかしたらずっとデフレのままかもしれない。

デフレが続くなら、今まで通り愚直に働いて貯金だけしておけばいいが、過去の長い歴史において、デフレだったのはほんの一部の期間だけであり、ほとんどはインフレであった。

今の長期デフレはかなり珍しい部類で、長く続いているというだけで、この「異常事態」が当たり前だと思い込むのは、いささか危険ではないでしょうか?



0 件のコメント :

コメントを投稿